2000年に福岡で創業。主に新聞広告メインとした地域密着型の広告会社。テレビやラジオのCM制作や、イベントの企画、運営も行う。
約1年前からテレワークの導入を検討されていましたが、対象業種の選定や、対象者の選定、情報漏えいのリスク対策に時間が掛かり、実際にはなかなか進んでいない状況でした。
ところが、コロナウイルス感染症の影響で、4月から急遽在宅勤務を導入。
とりあえず最低限のリスク対策のみ行い、慌ただしくスタートしたテレワーク勤務でしたが、BCPや生産性向上の観点から6月以降は計画的に導入。輪番でテレワーク勤務を行うことにしました。
わたしは、規定の作成でお手伝いさせていただきました。
現状 | 創業20年以上 |
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業種 | ■広告事業 主に新聞広告をメインとした広告業 |
企業規模 | 従業員60名 |
テレワーク導入にあたり、まずは導入の目的を明確にし、それにより対象者を決定します。
ワークライフバランスを整える目的であれば、育児や介護をしている従業員を優先的に対象としますし、BCPが目的であれば全従業員を対象とします。また、生産性向上の目的であれば、通勤時間が長い従業員や、在宅に向いている業種を優先的に対象とする、など、導入の目的によって、対象者は変わってきます。
今回は、全従業員を対象としました。
また、突発的だったとは言え、すでに2ヶ月の実績がありますので、その間に出た問題点を洗い出し、一つ一つを見直していきました。
特にもめる原因となりやすいのが、テレワーク中の交通費の取り扱いや、自宅の水道光熱費等です。
当企業でも2ヶ月の間に光熱費や通信費の負担に対する不満の声も上がっていましたので、明確に規定することにしました。
具体的には「月に10日以上テレワークした場合」と「月に20日以上の場合」に分けて定額の手当を支給。通信費については原則会社支給のポケットWi-Fiを利用することとし、止むを得ない場合のみ家庭のWi-Fi接続を認めることにしました。
また、テレワーク中のコミュニケーションの取り方、タスク管理の仕方についても明確にしました。
もともと使用していたスケジュール管理のシステムを利用して、テレワークの日には、必ずその日に行うことを入力。
出勤時に、上司に出勤報告→一日のスケジュールはシステムに入力→退勤時に再度上司に退勤報告。残業はNGとはしていませんが、退勤報告の際の許可制としました。ただし、テレワーク者について残業報告はありませんでした。
また、助成金も活用。テレワークの規定や、労務コンサル、機器導入費用の1/2は助成金で補うことができました。
これまで、営業の社員にテレワークは無理だと考えていましたが、実際には営業先への移動時間、次のアポイントまでの待ち時間、事務処理のために帰社するための移動時間がなくなったことで、大変効率よく売上を上げることができるようになりました。
お客様とのコミュニケーションについては、Web会議システムを積極的に活用。社内体制も整い、10月には前年同月比を上回る売上を上げました。
さらに良いことに、これまで当たり前のように横行していた残業や休日出勤が実質ゼロに近いほどになくなったのです。
会社も従業員も、既存のやり方にとらわれず、ニューノーマルに対応した成功事例だと思います。
コンサルタントからの一言