【金属加工業】設備投資計画に基づいた資金調達によって生産性向上を実現!

2020.04.13

年間3000個の自動車向け金型部品を生産している金属部品加工業である。加工ノウハウの蓄積により、
材質・形状・大きさ等あらゆる条件の切削加工が可能であり、対応可能な部品種類は約三千点に及ぶ。
他社ができない難削材の加工など、付加価値の高い製品ができることに加え、特急加工や1品からの小ロット対応を行っている。

【金属加工業】設備投資計画に基づいた資金調達によって生産性向上を実現!

手動による金属加工には限界があった

長年蓄積された加工技術は経験と勘によるものが多く、技術承継には時間がかかる

金属加工は、金属自体を加工するための工具を準備する必要があります。加工形態に応じた工具の成形は特に難しく、技術承継には少なくとも数年はかかるともいわれています。近年は、金属部品の多様化・複雑化、高い精度と難易度が要求されます。また技術の進展は著しく、日々要求精度は高まりつつあります。オーナー様もこれまでなんとか手作業によって金属加工に対応してきましたが、技術者の高齢化、人手不足、設備の老朽化もあり、最新鋭設備の導入に踏み切りました。

しかし、設備導入に必要な資金も十分有しておらず、年商を超える設備資金が必要であったため、金融機関への融資を中心に資金調達することになりました。

現状 優良企業と太いパイプを持つ。県でも有数の工業団地に立地し、絶えず難易度の高い金属加工依頼がきている。さまざまな最先端機械装置の部品に使われている当社の技術は、非常に高精度でかつ硬度の高い金属にも対応できる。小ロットからでも対応しており、地元の企業からは高い評価を得ている。
業種 金属加工業
 あらゆる金属加工を短納期でかつ低コストで行っている。
年商 10,000千円
企業規模 従業員2名

少額の自己資金で年商を超える機械装置が購入できた

設備投資計画にしっかり、これからのオーナー様の展望や外部環境、量産体制の必要性を明記することで、年商を超える設備資金を調達することができました。

【手法】最新鋭設備の導入によって加工時間の3分の2をカット!

これまで、加工時間は「人」や「金属種類」「複雑度」によって設定されており、生産管理も複雑でした。今回の自動化によって、属人性は解消され、「金属種類」や「複雑度」のみによって加工時間の標準化が設定でき、生産管理はシンプルになりました。加えて、本設備導入によって、加工時間が約3分の2カットできるという結果が出ました。

大幅な加工コストの削減、シンプルな生産管理体制の整備ができ、現在では、高品質で安定した金属加工を短期間で納品できるようになり、取引先からも高い評価を得ています。

さらに技術者の採用も幅広く応募でき、人手不足解消につながると考えられます。

提案内容の一般的な効果として、機械装置導入によってデジタル化に伴う品質の安定、供給力向上が期待でき、短納期化が実現できます。また技術承継も短期間に行うことができ、金属加工経験の浅い従業員やフルで働けない子育てママなどの活用によって、柔軟な供給体制が構築できます。

【効果】設備投資計画による円滑な資金調達の実現

設備投資することで、期待できる収益性や生産性向上をしっかり数字として伝え、業績が上がることでしっかり返済できることもアピールすることが重要です。

今回は1ワークあたりの時間がどれだけ削減できるか、削減することでどれぐらい加工コストが低減できるかを緻密に検証し、高い収益性を示すとともに、投資回収期間を明示し、返済原資がしっかり確保できることを計画に盛り込んでいます。実現可能性が高く、高い技術力が評価され、年商を超える資金調達を可能としました。

コンサルタントからの一言

手動で行われていた金属加工技術をさらに、電子制御可能な機械装置を導入することで当社にとって鬼に金棒となりました。近年は人手不足で金属加工の技術承継には時間をかけれない現実があります。今回の最新鋭設備の導入によって幅広い年齢や性別、国籍問わず、難易度の高い金属加工技術を承継可能となりました。

日頃からしっかり金融機関とコミュニケーションをとり、さらに中小企業向けのさまざまな施策を活用した設備投資計画を策定することで、年商を超える資金調達ができた事例です。資金調達をきっかけに人や設備を変え、業務プロセスが改善され、結果として高い業績につながることを期待しています。