補助金を効果的に活用するためには、戦略から考える!

2020.08.25

福岡市東部を中心部にエクステリア・ガーデンショップとして平成18年設立。「庭づくり専門店」として、特にガーデンデザインに力を入れている会社である。会社及び敷地は狭いが、その狭い空間に多様なガーデニングの提案を行っており、お客様来店時に様々なスタイルの「庭のある空間」を短時間で見学できる自社展示場を構えている。昨年よりカフェを併設し、お庭でのんびり楽しむ空間も提供している。

補助金を効果的に活用するためには、戦略から考える!

きっかけは、商工会主催の販促セミナー!

戦略がある販促物は結果が全く変わってきます!

きっかけは、地元の商工会主催の販促セミナーを実施させていただいたことが始まりでした。約4年前程のセミナーで50名程の大規模セミナーでした。セミナー内容は、戦略がある販促物は効果が全く変わる!というテーマです。

 具体的な事例を中心にその実施した結果や効果の話をしたのですが、その内容をそのまま自分の事業におきかえて、即実施されました。その結果がとても反応がよかったため、今後の具体的な販売戦略を一緒に考えてほしいということになりました。その実行力はとても素晴らしいものです。

 地元で約20年エクステリア事業を行っており、今後車庫やガーデニングなどの外構工事の案件だけでなく、新ビジネスとしてガーデニング関係の商品の物販事業展開を検討されているということでした。

 まずは、一度詳しいお話をお聞かせいただくために、ご訪問させていただき、現状に関してヒアリングさせていただきました。

現状 創業20年経過しており
月売上1200万円
既存顧客3000件
業種 エクステリア業
戸建住宅の外構工事・ガーデニング工事を行っています。
地域密着型のお庭の専門店として当店展示場も併設しており、カフェや図書室などガーデニングを楽しんでもらいたいという想いが詰まった空間を提供されています。
年商 約2億円
企業規模 従業員3名

小規模事業者持続化補助金の有効活用

事業規模が小規模事業者持続化補助金の対象であったことや、新ビジネスの物販事業が補助金の要件に合致していたため、補助金の活用をすすめました。ところが、事業者様もはじめての補助金申請であったため事業計画書などは今まで一度も作成したことが無いとのことで、当社と一緒に事業計画書を作成しました。

 事業内容、現状の業績、自社の強み、SWOT分析、4Pマーケティングなどを計画書に盛り込み、今回の補助事業をやることで、どのような効果が生まれるか?など話ながら計画書を作成していきます。

 ほとんどの事業者様はこのタイミングで現状の会社や今後の方向性を改めて見直すタイミングとなりますので、現段階での会社の整理整頓ができる方も多くいらっしゃいます。それだけでも会社様はステップアップし、今後の方向性の準備ができるのではないでしょうか?

商品販売のターゲットは【新規顧客】【既存顧客】の2パターンある

ガーデニング商品販売を実施する中で、ターゲットを2パターンに絞りました。

【①新規顧客に対する販売】

販売するだけであれば、全国対象になりがちですが、当事業者は商品販売をきっかけに本業である外構工事を提案していきたいという狙いがありますので、今までの商圏エリアに限定するという条件でのECサイト構築を考えていきます。

 例えばですが、商圏エリアであれば、注文後は、商品を郵送せずとも「店舗に取りに来てもらう」「当社よりスタッフがお持ちする」ということが可能となります。これは自社の強みでもあります。

 つまり、そこで、新たに提案する場ができるということです。その狙いを考慮した上で、エリア限定のチラシ配布やネット広告を活用しました。

【②既存顧客に対する販売】

①よりも②の方が販売しやすいですね。理由は、すでに事業者のことを知っている方のため、1から説明不要だからです。

よって、定期的に情報配信を行うことで売上アップにつながると考え、3カ月に1回、1500通のニュースレターを配信しました。

ターゲットに合わせた販促手法を決める!

その結果、

①に関しては、2000部のポスティングで10件の問合せがあり、

②では、1500件のニュースレター配信により8件ほどの問合せという結果がでており、月間売上が前年対比120%にもなりました。

今までは、DM郵送の内容や配布タイミング、配布先などにあまり意識せず、伝えたい情報のみをDM内容に反映しており、郵送後のフォローや反応率などは感覚で判断していた。しかし、今回から、DMには、目的があり、その顧客にどうしてほしいのかを明確に表現することにより、問合せなどのアクションに変わって反応としてでてくることを実感されたと思います。

誰?接点は?購入までの動線は?

 今回は、目標を決め、ターゲットを明確化し、販促計画書を考えるという事前の段取りに注力を注ぎ、それを一つ一つ実行したことで上記のような効果が得られたと思います。

 ECサイトを構築するためには、サイトのデザインなども大事ですが、

 ・サイトに訪れる方が誰なのか?

 ・サイトに訪れるまでの接点は?

 ・訪れた方がスムーズに購入できるサイトになっているか?

 購入だけでなく、本事業への誘導などができているか?という部分に注力すると今以上のいい結果が出ると思います。

 

コンサルタントからの一言

顧客を3000件程のリストがあるということで、既存顧客に対する販売方法として、地域密着型の事業展開をされています。エクステリア事業ということですので、住宅があってのビジネスです。つまり、エリア戦略を考えて販促を実施することがとても効果的です。地域のタウンメールをフル活用した事業者様の一つであり、ターゲットが決まっている販促はとても効果を発揮します。

今後も顧客リストアップを自動化してリストをもとに営業活動をすることをおすすめします。

地域密着型ということは該当するエリア内に実績が多数でてきます。地域の口コミ効果も期待できますので、引き続き絞り込んだエリア特化型でアクションし続けることをお勧めします。