実はややこしい会社の解散手続き

2022.06.10

実はややこしい会社の解散手続き

10年後の会社生存率は5%

”会社の解散”というと縁起でもない話ですが、会社の事業を停止する理由は様々。珍しい話ではありません。
例えば昨今の会社生存率、1年後には半分の50%にまで減少します。そして、3年後には30%、10年後には5%と言われているのです。

私も、会社の解散に関わらせて頂くことがあり、今回は、その方法についてお伝えしたいと思います。

解散から清算結了までの流れ

解散から清算結了までの流れは、おおまかに以下の通りとなります。
なお今回は、株式会社を想定し、株主総会で解散の決議をした場合を想定しています。

(1)株主総会の決議で解散を行う。

会社とは、解散をした後も、取立てるべき債権や債務の弁済を行う必要があります。
このため、解散の時点で会社は消滅するわけではありません。原則として、残余財産の清算手続きを行う会社となるのです。
なお、会社が法律上消滅するのは、全ての清算事務が終了した後に行う、”清算結了の時点”となります。

(2)清算人を選任する。

清算人とは、会社の残余財産の処分や、分配の職務を担当する者を指します。

通常は、株式会社の取締役が解散時の株主総会において清算人に選任され、債権者への弁済や、株主への残余財産の分配の職務を行うこととなります。

(3)財産目録を作成する。

清算人は就任後、遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査し、解散時における財産目録及び貸借対照表を作成します。

また、それらの書類を株主総会に提出し、財産目録等の承認の手続きを行います。

(4)債権者に対する公告(債権者保護手続き)

清算株式会社は、2か月を下らない一定の期間内に、その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知られている債権者には格別に催告しなければなりません。(会社法499条2項)

公告の目的は会社が把握していない債権者に清算公告(解散の旨を官報に掲載)することで、知られていない債権者に不利益を及ぼさないようにすることを目的としています。

(5)債権者への弁済

最終的に、清算公告により判明した債権者も含めた全員に会社の債務を弁済します。この時点で弁済が不可能な場合は、破産手続きに移行することとなります。

(6)残余財産の確定

上記の債権者保護手続きが終了し、債権者への弁済が終了したとき、初めて、株主に分配する残余財産が確定します。

(7)清算結了の手続き

株主総会で清算結了の承認を経て、清算手続きまで終わったとき、すべての終了となります。

その他の手続き

会社の解散を行うにあたり、その他事業の許認可を得ていた場合などは官公署への手続きが必要となりますし、確定申告等の税務上の手続きも行わなければなりません。

会社の解散から清算結了までは、短く見積もっても、一般的に6か月ほどかかるでしょう。

手続きの量も多く、専門家に依頼した場合の報酬も高くなりがちです。

まとめ

会社の設立は比較的簡単にできます。
しかし、会社をやめるためには、かなりの時間や労力を費やします。そのため、税務上の休業届のみを提出し、休眠会社の状態にしているところも散見されます。休眠状態とはいえ会社を残したままでいると、悪用されてしまうこともあります。可能な限り、会社の解散、清算手続きと、最後まで貫徹させることをおすすめします。

コンサルタントからの一言

会社の解散は、比較的多くの方が悩まれるところです。わからないことがあればぜひ専門家にご相談下さい。