30年もの歴史のある内装工事業。
これまで事業を行った中で、株式の譲渡を行ったり、増資を行った利する中で、正確な株式の取得の経緯がわからなくなりました。
このような課題を解決するために、調査を行い、円滑な事業承継に寄与することができました。
会社は、創業から30年を経過した、老舗の内装業者様です。
今回高齢化した現社長から、親族内の事業承継の手続きを行うことになります。
株主は社長、社長の奥様、子、従業員株主という株主がいましたが、設立時の定款には、社長のみが株主になっています。
また、複数回、増資手続きを行っていましたが、その際に誰が発行された株式を引き受けることになったのかなど不明な点が多く、現株主になるまでの経緯が分かりませんでした。
親族内の事業承継にとどまらず、株式の譲渡を行うためには、現株主がどのような経緯で株式を取得したか、明らかにする必要があります。そのような確認を行わずに株式の譲渡を行った場合、株式の譲渡自体が無効になってしまう可能性もあるからです。
現状 | 現株主は税務関係書類や聴取事項から確認できたものの、その株主がどのような経緯で株式を取得したのか不明な点が多かった。 |
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業種 | ■内装工事業 下請による受注が9割、その他リフォーム業などを行っている。 |
年商 | 約5憶円 |
企業規模 | 従業員3名 |
株主による株式取得は増資や、株式譲渡など様々な原因からなされますが、増資などでは登記事項なるため、当時の資料を調査し、内容を確認する方法や、株式譲渡については当時の契約書類の確認や、税務関係書類の変遷、当事者の当時の取引の内容の聴取などで、株主取得の経緯を明らかにしてきます。
株式譲渡に係る書類は多岐にわたります。
例えば、
①株式譲渡承認請求書
②株式譲渡契約書
③株式譲渡承認議事録
④株式譲渡承認通知書
⑤株式書換請求書
⑥株主名簿
などが挙げられます。
株式の譲渡手続きを行うにあたり、これらの法律上求められる書類の作成支援を行いました。また、これらの手続きの詳細については、法律家以外の方にはわかりにくい部分もあるため、手続きについて円滑に進むように、株主の権利や株式を譲渡する意味、取締役と株主の違いなどを詳細に説明し、後で疑義が残らないように慎重に手続きを進めました。
株式譲渡に伴い、税務関係の処理については、税理士と提携して業務を進めました。このように事業承継と一口にいっても、その分野は多岐にわたり、様々な専門家と提携して業務を行う必要があります。
無事に株式譲渡の手続きが完了し、金融機関や第三者に開示しても、問題ないといえる証明書類を作成することができました。
株式譲渡を行う上では、上記のような株式の取得の変遷がわからないなどの問題のほか、
「所在が不明な株主」がいる、
「連絡が取れない株主がいる」、
「そもそもお金を出して株主になっている人ではなかった(名義株)」
などの問題など様々です。
事業承継においてはこれらの問題をすべてクリアして手続きを行う必要があるため、注意が必要です。
コンサルタントからの一言