『不動産業×補助金申請』について、中小企業診断士であり、経営コンサルタントでもある馬淵雄太さんにお話を伺いました。
対象企業は、不動産業を営まれている事業者様です。
飲食店など事業者に向けた不動産賃貸業を行っておられましたが、コロナ発生により、飲食店の賃貸契約は停滞。空室が増え、売上は大幅に減少。そこで、空き店舗を活用し、自社で飲食店を開店するという思いきった事業展開をされることとなり、事業再構築補助金申請のため、事業計画書の作成を支援することとなりました。
不動産業の方なのですが、賃貸業を通じて飲食店との繋がりがあったため、そこから得られる情報もあったとのこと。開店へのハードルもそれほど高くは無く、功を奏した事例です。
今回利用した事業再構築補助金については、その要件に『企業の思い切った事業再構築』とあるため、既存事業の展開版であったり、既存顧客層に対するものであっては対象から外れてしまいます。
とはいえ、何も知らない分野をイチからスタートするのでは不安も大きいでしょうから、今回のように、別事業ながら若干の関係性がある事例というのは理想的だと思われます。
ご依頼を頂きましたら、事業計画書の作成などお手伝いしておりますが、まずは『要件を満たしているかの判断』より、丁寧に対応して参ります。
事業再構築補助金は、建物費にも使えるというのが最大のポイントだと言えます。
既存事業とは異なる事業に着手する場合、多額のイニシャルコストが必要となります。そこに使える補助金の存在は、非常に大きな安心と言えますよね。
また、新事業を展開するにあたり、広告宣伝費や機材導入費、システム構築費なども必要となってきますが、事業再構築補助金はこれらにも使用可能です。ハードを整え、ソフトも整え、すぐに事業運営に踏み出せるところまで完成できる補助金ということになります。
例えば、元々やりたかったこと、以前より興味があったことなどに対し、事業再構築補助金を活用するというのはいかがでしょうか。
補助金が無くとも、「いつかはやろう!」と思っていたことに補助金が採択されるのなら、これほど心強いことはありません。
チャレンジすることは、とても素敵なこと。私は経営コンサルタントとして、事業計画書作成等の支援を通じ、新事業の成功を応援いたします。
補助金には様々な種類がございますが、事業再構築補助金は、中でも難しい部類にあると思います。
その理由は、『採択が相対評価』であるから。
事業計画書の良し悪しだけでなく、他の事業者様との比較も伴います。事業計画書の内容は、より質の高さが求められますし、書き方についてもコツが必要です。もし、事業者様がご自身の手で、策定の段階から作っていくとしますと、時間が必要ですし、かなり難しい作業になると言えるでしょう。時間がかかれば、タイミングを逃してしまう可能性も出てきます。
計画書をよりよい物にするためには、コンサルタントの力を活用して欲しいと思います。
経営状況がひっ迫し、どうにもならない時に使うのが補助金……という認識であるなら、それは間違いです。正解は、『余裕のある状況でないと、補助金による事業再構築は難しい』のだと言えるでしょう。
というのも、補助金は後払いなのです。
採択されても、事業再構築のための費用はすべて、一旦自己資金か銀行からの融資で行わなければなりません。その上で各種手続きを済ませ、事業の実施まで行い、そこでやっと、支払いが行われることとなります。
また、必要経費が補助金の枠を超えたのであれば、その分は自己負担です。全額が補助金で賄われるわけではありません。
だからこそ、ひっ迫した状態で補助金申請を行うのは難しいのです。
ギリギリの状態である事業者へ融資を行う銀行はありません。補助金が採択されると伝えても、状態が悪ければなかなか話が前に進まないのだという話も、聞いています。
補助金の活用は、ひっ迫する前、早い段階で行うことをお勧めいたします。
補助金の申請は、以下の流れで行っています。
① 申請内容の確認
② ご提案とご契約
③ 計画書や報告書等、各種申請書類の作成
④ 申請サポート
事業再構築補助金の申請には、各種要件が定められています。事業規模に応じて変化する部分もあり、確認作業は容易ではありません。申請に際し、要件に該当しているかどうかの確認も行って参りますので、ご安心ください。
「事業再構築補助金があるから、何か新事業に着手してみようか」ではなく、「以前から”やりたい!”と思っていた事業を、補助金と言うサポートを得てチャレンジしてみよう」というのが、ベストなあり方です。
・「いつかは」と思っていた事業
・既存事業とは異なるが、自信のある分野
これらをお持ちであれば、事業再構築補助金に近いかもしれません。
補助金をサポーターに、新規事業にチャレンジされることをお勧めいたします。
尚、ご相談の際は、経営者様と経理の方など、複数人である方がスムーズであると考えます。というのも、事業については経営者様、書面のやり取り等は経理の方と、役割分担が整うためです。
ただし、新規事業についてイメージが固まっていない場合には、複数人で来られることで話が割れてしまうことも過去にございましたので、ある程度のすり合わせは行なった上で来て頂ければと思います。
新しい事業の成功を、一緒に考えていきましょう。
不動産業を営む経営者様の、飲食業進出をサポートされた馬淵さんに、お話を伺いました。
ご自身の所有する空き店舗と、過去に得た飲食店情報を合致させ、初めてとなる飲食業進出を成功させたことは、素晴らしい展開だと感じました。
新事業へのチャレンジにおいては、ご自身が何に対しての手札を持っているのか、その見極めが重要になってくると思いますが、ご本人であっても、持っている手札に気付いていない方がおられるではと思います。
そのような時こそ、コンサルタントの力が求められますね。
コンサルタントからの一言